2024年6月のこと

 先日、はじめて夫の祖母宅へ行ってきた。祖母宅があるのは長野県の諏訪のほう。長野にはほとんど行ったことがなく、長野に行くには長野新幹線に乗るものだと思っていたが、それは長野市方面へ行く場合のはなしで、東京から諏訪方面に行く場合は新宿から特急・あずさに乗るものなのだという。ということで、新宿まで出て、あずさに乗って移動した。
 あずさに乗った感想は、酔う、ということだ。山梨県や長野県のあたりは山が多いことからカーブも多く、そのカーブでなるべくスピードを落とさずに走るために車体を傾けて走るらしく、その揺れで酔うことが多いのだそうだ。夫はわたしが酔ってからそのことを教えてくれたのだが、はやめに教えてくれればよかったのに、そうしたら先に酔い止めを飲むなど対策ができたのに、と思わずはいられなかった。

 祖母宅に1泊した後、諏訪大社を訪れた。諏訪大社は4つの社に分かれており、諏訪湖の北側に春宮と秋宮、南側に前宮と本宮が位置している。春宮・秋宮は下社、前宮・本宮は上社と呼ばれ、上社と下社のあいだは15kmほど離れているため、すべてを徒歩でまわるのは難しい。事前にレンタカーを調べていたが予約でいっぱいだったため、下諏訪駅近くでレンタサイクルを借りて下社を見たあと、電車で茅野駅に移動し、またレンタサイクルを借りて上社を回るコースとなった。10時半くらいから16時くらいまでかかったと思う。
 最初は秋宮へ。どの社にも、拝殿の周りを4つの御柱が取り囲んでいるのが独特でおもしろい。あの有名な御柱祭で曳かれてきた柱なのだそうだ。拝殿の右に一之御柱、それから時計回りに二之御柱、三之御柱、四之御柱と並んでいて、一之御柱がいちばん大きく、四之御柱になるにつれて小さくなっている。秋宮は神楽殿のしめ縄が大きくて目立つ。拝殿の彫刻も美しい。

秋宮の拝殿。賽銭箱の奥、建物の中の鶴や竹の彫刻も美しかった。

 次は自転車で数分、春宮へ。こちらも拝殿の彫刻がかっこよかった。また、境内から朱塗りの橋を渡って奥へと歩いて行ったところにある万治の石仏も印象的だ。大きな石が体になっていて、頭はその上にちょこんと乗っていて、顔の表情もどこかユーモラス。岡本太郎も絶賛したという造形。仏像はけっこう好きだけれど、こういう雰囲気の仏像ははじめて見たので感動した。石仏へ至るまでの道は川が近く、流れる水の音や葉ずれの音がここちよかった。

春宮の拝殿

万治の石仏。緑に囲まれたよい場所に位置している。

 そのあとは下諏訪駅の近くでうなぎを食べようと思いお店の近くまで行ったのだが、駐輪場に止まっていたバイカー集団に「バイカーが18人もきたから売り切れになっちゃったよ」と言われてあきらめることになった。
 結局昼食は茅野駅に移動したのちに、駅の近くでそばを食べた。そしてまたレンタサイクルを借り前宮へ。秋宮と春宮は下諏訪駅から歩いても行けそうな距離にあるが、前宮と本宮は茅野駅から歩くと1時間弱くらいかかりそうな距離感だった。前宮は駐輪場から階段をけっこう登った先に位置しており、ちょっぴりつかれた。下社の拝殿の彫刻について触れたが、上社は下社とくらべて装飾が少なくシンプルなつくりだと感じた。すぐ横には「水眼(すいが)の清流」と呼ばれる小川が流れており、さわってみると冷たい。

前宮の拝殿。シンプルですっきりとしたつくり。

 さいごにまた自転車にまたがり本宮へ。いちばん大きな敷地、建物だった。4つの御柱間の距離も離れていて、どこにあるのか探すのに苦労した。4社をめぐりながら御朱印も集めていたのだが、4社すべてを回ると記念品をもらうことができた。年によって記念品は変わっているそうで、2024年は巾着袋であった。さっそく御朱印帳を入れる袋として使うことに。夫はこれまで御朱印には興味がなさそうだったが、今回を期にはじめることとしたらしい。

 本宮の近くにはお土産屋さんや食べ物屋さんなどがあり、ふらふらと見て歩いた。少しおなかも空いており、また長野にきたらおやきを食べたいと思っていたので、野沢菜のおやきを食べられて満足。また干しきくらげや干し山くらげも安かったので買いもとめた。山くらげは夫が料理してくれたのだが、こりこりした食感が好みである。

本宮の鳥居

記念品の巾着。去年はがま口だったらしい。

 というわけで諏訪大社に行った記録。今回はめずらしく写真が多めになった。